原作読破済み。
内容をなんとなく覚えていた。物語の肝というか、コナー少年の知られてはいけない秘密を既に知っている状態で観たことになる。
母親が癌、父親はアメリカに行ってしまい再婚している、祖母とは死ぬほど気が合わない、学校ではいじめっ子に殴れらる毎日。友達がいる描写はなし。常に死んだ目をして、悲しそうに心を閉ざしているコナー少年が、イチイの木の怪物の話を聞きながら、自分の罪を最終的に認めて昇華されるという感じの内容です。
コナー君の罪が、罪というほどのものとは思えないけれど、彼自身がそれは思ってはいけない悪いことと認識しているから、すごく痛々しく感じた。自分以外の人間が、それについてもの凄く頑張っている、抗っている中で少年が「終わらせたい」なんてどうしても言えるはずがなかった。
彼は自分が罰せられるかどうかを気にしている。母親の家に伝わる時計と家を滅茶苦茶に壊した時、祖母は何も言ってくれなかった。怒ってほしかった時に怒ってくれなかった。いじめっ子にやり返して病院送りにした時、学校の先生は彼を怒ったが罰することはなかった。こんなに悪いことをしたのに、なんだか見放されているような気がした。本当の問題は、違うところにあったけど、それを誰にも言えなかったから、ほかのことで誰かに怒られたかった、罰してほしかった。でもなんともならなくてグルグルと…
怪物はコナー君を怖がらせるためではなく、助けるためにやってきたという。
手遅れになる前に、お前の言いたいことを言いなさいと。
あのまま誰にも本当のことを言えず、母親と別れていたらきっとコナーは壊れていたことでしょう。自分の中で母が助からないと知っていたとしても。
コナーの告白のところは、たしかに本で読んだ時も涙腺崩壊モノで、「ああこれ映像化してくれないかなあ」と思っていたら本当にされて、そして同じところで涙腺崩壊してしまった。映画館で観ていたら不審者ばりの号泣だったと思う。
怪物の声はリーアム・ニーソン。一瞬だけ映る、少女リジーを抱いている、言うところの祖父はもしかしてニーソン氏ではなかろうか…。わかんないですけど、別人かもしれんが…
もしそうだったら、会ったことのない孫息子のために祖父が一肌脱いだという裏設定なんぞあれば面白いのですが。
怪物が語る物語の演出アニメがかわいい。綺麗。
ここだけでも、いいもの見たーという感じかな。
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