とんでもないところ(デンマーク)に嫁いでしまった、カロリーネさん(イギリス人)が、旦那が連れてきた怪しげなドイツ人ストルーエンセと禁断の愛情を育む話。
前半は王クリスチャンにイライラします。これは嫁の気持ちがストールエンセ氏に傾くのは仕方ない。傾くべくして傾いた。だけど最初から「そういう風」だったわけじゃない。むしろ二人の印象は良くなかった。
旦那がちょっと怪しいイケメン連れて帰国してきた。
旦那と仲いいみたいだけど、ろくでもないことばかりしている。医者ということだけど、本当かしら…とカロリーネが思ったかは解らないけど、あまりにも旦那がバカなことばっかりするので、それに従うストルーエンセも同類なんだろう…と思っていた節がある。
でも、それが実はインテリで誠実だと解った時、彼女の心はストルーエンセへ。ストルーエンセの心もカロリーネへ。
マッチョ系インテリに見えるのは仕様です。
カロリーネとクリスチャンの寵愛を受けたストルーエンセは、デンマークをよりよい国にしていこうと奮闘。結果として、当時のヨーロッパではトップレベルだったようですが、「外国人が好き勝手する」ということで、デンマーク貴族たちがブチ切れ。ストルーエンセを快く思わない友人、クリスチャンの継母などと共謀して、ストルーエンセとカロリーネのスキャンダルをネタに国外追放(ストルーエンセに至っては処刑)します。
処刑ってサラっと書いたけど、本当は「恩赦」を貰えるはずだったんだよね。それが騙し討ち処刑。捕まった先で拷問されて、ストルーエンセは「自白」。処刑台へ送られて、先に首を斬られた友人の血で滑り、恐怖と涙の内に死亡。首切りは手動でした。怯えた感じとか、すごく生々しかったです。
クリスチャンとストルーエンセがシェイクスピアの台詞を暗唱するシーンが微笑ましかったです。「好きだ!」と思ったのは、カロリーネとストルーエンセのダンスシーン。一度目のダンスシーンでうっとりしたので、最後も踊らせてあげてほしかったな…。
「人間は生まれながらにして自由であるのに、至るところで鉄鎖につながれている」はルソーの言葉で、劇中でもたびたび登場しますが、観終わった後では、この映画の二人を表すのにピッタリなものだと思います。それを打ち破りたかったのにねー。まあ、出自が違ったら~とか、クリスチャンがもっとまともだったら~、とか色々「IF」はあるけれど、それ言っちゃったら根本から別物になってしまうから難しいと思いました。
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