コリン・ファレルっていつも困ったような顔してんなあ。
退屈になりかけると上手い具合に何かが起きて引きずりこまれて、その熱が冷めたころに中だるみして退屈になっては、また上手い具合に何かが打ち込まれて食い入るように観てしまう、そんな映画。笑っちゃいけないと思いつつ笑ってしまう。だってそういうコメディ。
クリストファー・ウォーケンが、お爺さんなのかお婆さんなのか解らなくなってたのが衝撃だった。初めのカットで、犬を抱いて登場するんだけど、まさか犬であんな商売しているとは思いもしなかった。賢いけど、ずるずると同じ範囲でやっていちゃそりゃばれるよね。
サイコパスって何でしたっけ…。マフィアはサイコパスなんでしょうか。あの犬好きマフィアがサイコパスなら、他の映画の登場人物は殆どサイコパスということになりますね。タランティーノの映画なんてほぼそうじゃないでしょうか。それとも私が麻痺しているのか…。
イカレ具合だったら、ビリーがダントツで、静かな狂気だったらハンスが一番ですかね。最終的に順応してしまった主人公もサイコパス世界の住人かな。コメディ映画なので、シリアスなサイコパスはいません。シリアルキラーはいるけど。ハンスの人生が悲惨かつ凄惨なんですが、ハンス自身はそれを感じさせない人として描かれている。作中で一番奪われているのはこの人。奥さんも。一番の被害者(と思ったけど、犬の商売のツケが回ったと考えるとちょっとモヤっとなる。高いツケだった)だけど、悲惨さをそれほど感じさせない。不思議な人。一人だけ、他の人物たちとは違う世界にいるような感じ。
ビリーっていうかサム・ロックウェルのことなんだけど、くしゃっと笑った顔が若かりし頃のゲイリーに似てると思います。イカレ系のキャラクターだと特にそう思う。
作品自体のテンションの配分が、自分のテンション配分とぴったり合って、いい気分で鑑賞できました。コリン・ファレル、好きでも嫌いでもなかったんだけど今回は同情した。
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