デルトロ大先生の古典的王道なホラー映画。
作家になることを夢見る主人公イーディスは、イギリスからやってきた貴族トーマスと恋に落ちるが…。
あることの為にどうしてもお金が欲しいトーマスと、その姉ルシールがどこからどう見ても怪しい(妖しい)。最初から最後まで妖しかった。とはいえ、普通の人間だったので、吸血鬼でも出るのかなと勝手に期待していた自分にとっては物足りない感じ。いやでも普通ではなかった、特に姉の方は。
ゴシックロマンスかと思った。途中まではそういう感じで、かなり好き。髪をおろしたミア・ワシコウスカの綺麗さに驚いた。幽霊より推されている蛾。そういえば最近のデルトロさんが描いているであろう幽霊は、がっつり幽霊として出現して、その際にフヨフヨ何かを漂わせていますね。怖いという気持ちよりも、悲しさを前面に押し出しているように見えて、こちらからすると「わかったよ!うるさいよ!」という気持ちになる。ハイハイ幽霊ね、貴女。あんなに幽霊たくさん出てくるなら、イーディス父の幽霊も出てくれたらよかったのに。この父親は冒頭から賢すぎて、誰が見てもすぐに退場してしまう雰囲気が強かった。周囲の人物に比べると、たいへん賢すぎたため浮いていた。
十九世紀の文学作品の良いところ詰めたらこんな風になりました的か。
イーディスが作家志望で幽霊モノの小説を書いているというところなんか、最たるものじゃないの…昼ドラばりの関係を持っている姉弟の、姉がこれまた昼ドラばりの狂乱さを終盤で披露してくれるまでは、暢気に観ておりました。
姉覚醒後は、「あれ?これってこういう意味でのホラーなの?」と変な笑いが込み上げてくる。ルシールといいイーディスといい、どうして二人ともあんなに戦えるのか…淑女じゃなくて彼女たちは戦士だった。強かった。
噛ませ犬の噛ませ犬臭、死ぬキャラの死ぬキャラ臭が解りやすく出ている。そんなところまで解りやすくしなくていいじゃない、と思ったけど噛ませ犬結局生きてたからな…。
結局、ルシールの単独勝利だったと思う。
よくも悪くもルシールのキャラが強烈だった。
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