ダコタちゃん映画。あらすじなどの詳細は
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どうせハートフルストーリーだろと思って見始めたのですが、人種差別問題や主人公リリィと父親の葛藤など、結構突き刺さるシーンが多かったのが印象的です。
リリィは四歳の時に誤まって母親を射殺してからずっと、罪の意識を抱えて生きている。あまりにも幼い時に母親と別れてしまったため、母親のことを知りたがっているが、父親T・レイは娘に教えようとしない。というか、壊滅的に父子の仲が悪い。父親はなんか飲んだくれみたいな雰囲気で融通の利かなそうな悪いおっちゃんで(でもポール・ベタニー)、妻デボラは娘であるリリィのことなんてこれっぽちも愛してなかったとのたまう。
父親との諍いと、家の使用人である黒人ロザリンが怪我をしたことがきっかけで、リリィは母親がどんな人間であったか知るために旅という名の家出をする。
母の遺品からヒントを得た「黒い聖母のハチミツ」を頼りに、リリィはボートライト一家の元に身を寄せることとなる。ボートライト一家は富裕層の黒人一家。三姉妹。この三姉妹+αと一緒に生活していく仲でリリィは成長していく。という感じの話。
人種差別の話より、私が呻いたのはリリィちゃんとT・レイの関係。最後の最後にお互い知りたかった真実を知るんだけど、仲直りするということはなく、「(疑似)母親がいるからリリィは大丈夫!」という空気で終わる。きっとこの二人は、もう二度と会うことがないんじゃないか…という終わり方。あまりにもT・レイが惨めすぎる。飲んだくれで娘に妻を投影して暴力振るっちゃう男だけど、若かった頃は大変素敵だったようだし、朝鮮戦争で勲章ももらったらしい。そもそも、デボラが何でか知らないけど彼に「飽きて」しまった。お腹の中に赤ちゃん(リリィのこと)がいたので別れられなかったけど、結局は最終的に逃げてしまった。それが原因で、今も長引いている。T・レイもうちょっとなんかあればよかったな…。ノーヒントでリリィの元に辿りつけるほどの能力があるなら、もっとこう娘に愛情をひとかけらでもさ…
で、物語的になんとなく漂う「父親いらない感」が酷い。
「自分は母親を撃ち殺したから愛されないのも仕方ない」と言っておきながら、本当は「母親は私を捨ててない。捨てるはずなんかない」と、父親の呪いともいえる言葉を必死に打ち消そうとしていたリリィがとても可哀想で、愛しいです。ボートライト長女(演説が上手い)との話の中で、新たに誤解をしてしまいモノに八つ当たりするシーンから、母の遺品を検分・母親と幼い自分のツーショット写真発見のシーンはもう涙なしには見られない(´;ω;`) 一番の泣かせどころはここだったと思います。
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