試写会で観てきました。
詳細は
公式ページで。
結論だけ言うなら、めっちゃいい話。スピルバーグを以て「傑作」と言わしめたのも頷けるし、この作品でコン・リーがとある賞を取れなかった時に「審査員は何を見てたんだ!」と激怒したのも解る。それくらいコン・リーの演技は素晴らしかった
。※たぶん台湾の映画祭だったと思います。
20年ぶりに再会したある夫婦。妻は夫のことだけを忘れていた。
夫は様々な方法で妻に思い出してもらおうとするが、上手くいかない。何が原因で彼女はあんな風になってしまったのか…明確な理由は出てきませんが、おそらく原因であるだろうという事は出てくる。あまりにも思い出してくれないので、一種のプレイなんじゃ…と下世話なことを考える。
自分のことだけすっかりと抜け落ちているのに、決して諦めず努力し続ける夫の姿が涙を誘う。それに妻にも。彼女はずっと旦那を待ち続けている。「五日になれば帰ってくる」という言葉を信じて。もちろん、その約束の五日はすぐに終わってしまうのだけれど、彼女の中では翌日は常に五日。夫の名前を書いた手作りの看板を持って駅へ彼を迎えにいく。それを何年も続けた。きっと死ぬまで続ける。その隣に、彼がいるにも関わらず。
という感じの、切なすぎる話です。
夫婦の話と、この二人の娘の話もあります。娘はバレエをやっていたのですが、実力があったにも関わらず、父親が逃亡犯ということで主役になれませんでした。娘はそのことで父親を憎んでいて、彼の居場所を密告します。
しかし母親の病気のこともあり、釈放された父親を迎えに行ったり、母の事を思って行動する父を見ている内に、自分のしたことを悔いるように。父親に「あの時、密告したのは自分だ」と告白するも、父は既に知っており…という展開や、母親から憎悪されていることを打ち明ける展開、そしてその〆等、私的に良かったです。一番感情移入しやすいのが、私にとっては娘でした。
願わくば三人の願いが一気に叶ってしまえばよかったんですが…。なんとも言えない寂しさでした。やるせない気持ちが沸々と。
夫が妻に他人のふりをして、自分の書いた手紙を読んで聞かせるシーンや、思い出の曲をピアノで弾くシーンなんて最高でした。
記憶喪失モノで大体これをすれば元通りになる!という選択肢が悉く効果を発揮しない、そんな現実の厳しさ。
平日のレイトショーあたりに、もう一度ゆっくりと観たいです。
と、いうのも、試写会でお笑いライブでも見てんのか?というくらい爆笑している一団がいたので、余韻もへったくれもなかったのでした。映画自体は良かったので、余計にムカつきました。茶の間でバラエティ観てるような感覚なのかな。そこだけ残念。そんなに何が面白かったの?と問い詰めて差し上げたかったです。
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