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観た映画の感想など色々。

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チャイルド44を観ていた

ちょっと前にレンタルで観て、ずっと心にモヤモヤの塊のまま残っている。
まず最初に褒める箇所を挙げるとするならば、キャストがめっちゃ豪華です。
でも、そこしかない。
何故かという理由と感想を以下に記します。

 この映画の原作は、同タイトルの小説です。
上下巻で、読み応えのあります。言い換えると、文章が硬い感じがして私は苦労して読みました。
 『チャイルド44』→『グラーグ57』→『エージェント6』の三部作で、『チャイルド44』は、実在したアンドレイ・チカチーロというソ連のサイコパスをモデルにした男が出てきます。これが、作中で起きる連続少年殺人の犯人で、彼は主人公レオと秘密の繋がりがありました。
 ぶっちゃけると犯人はレオの弟で、レオは弟を幼い頃に亡くしたと思っていたし、レオはそもそも自分の本名さえ忘れていました。レオの本名はパーヴェルと言います。弟のアンドレイは、兄と再会する為に殺人を行っていて、殺した子供たちに兄だけがわかるように印をつけていました。これに対し、映画版では工場で働いている冴えないオッサンが犯人なので、まったく悲劇もクソもない仕上がりになっています。ただ、オッサンとレオが昔同じ施設にいたということを、オマケのように見せているので、多少は原作に近づけたつもりなんでしょうか?

 そういった、兄と弟の過去やら現在やらを省き、レオをただの陰がある不器用なヒーローに仕立て上げた映画版は、一体何がしたかったのか私にはよく解りません。
 レオから弟のエピソードを取ったら、まったく見せ場がないでしょう。
小説と全く別物。辻褄が合って、それなりのお話になって完結までしたけど、あれは私が知っているレオじゃない。キャストがよかったと書いたけど、キャストが発表された時に、「トム・ハーディ??」と疑問に思った覚えがある。あんまりレオっぽくはないなーと思ったら、そうだね、そもそもこのお話は「チャイルド44」じゃなかったんだ!原案かな。
 邦題のサブタイトル「森に消えた子供たち」はロバート・カレン(広瀬順弘訳)の『子供たちは森に消えた』を真似したのかな。知っていてつけたとしたら、恥知らずもいいところ。

 よく、原作ありの映画を観ると原作ファンがウザイ。という意見を目にします。
確かに、原作と映画を比べることをよくしてしまう私ですが、この「チャイルド44」だけは言わせてくれ。これは全くの別物であると。レオをレオたらしめる要素を抜いて、暗いけど希望を感じさせるエンディングにした脚本家はどうかしてると思う。トムハ使いたかっただけだろ?と思わざるを得ない。
 我らがゲイリー・オールドマンの低音ボイスがたまらないけど、そうじゃないんだよ…。そういう話じゃないのに、なんでここでゲイリーなの…と悔しく思う程に、キャスト一人一人は本当にいい。※合っているかは別として。

 この終わり方だと、グラーグもエージェントも映像化はされないんだろうな…。だってレオがパーヴェルじゃなくて、レオなんだもの。弟が犯人バージョンもぜひ作ってほしい。

 原作だと、カニバリズム的な要素があるけど、そこを省きたかったのかな?別にあってもいいじゃない、パーヴェルだもの。


 


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