忍者ブログ

観た映画の感想など色々。

Wie du magst

   
カテゴリー「洋画」の記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

チャイルド44を観ていた

ちょっと前にレンタルで観て、ずっと心にモヤモヤの塊のまま残っている。
まず最初に褒める箇所を挙げるとするならば、キャストがめっちゃ豪華です。
でも、そこしかない。
何故かという理由と感想を以下に記します。

 この映画の原作は、同タイトルの小説です。
上下巻で、読み応えのあります。言い換えると、文章が硬い感じがして私は苦労して読みました。
 『チャイルド44』→『グラーグ57』→『エージェント6』の三部作で、『チャイルド44』は、実在したアンドレイ・チカチーロというソ連のサイコパスをモデルにした男が出てきます。これが、作中で起きる連続少年殺人の犯人で、彼は主人公レオと秘密の繋がりがありました。
 ぶっちゃけると犯人はレオの弟で、レオは弟を幼い頃に亡くしたと思っていたし、レオはそもそも自分の本名さえ忘れていました。レオの本名はパーヴェルと言います。弟のアンドレイは、兄と再会する為に殺人を行っていて、殺した子供たちに兄だけがわかるように印をつけていました。これに対し、映画版では工場で働いている冴えないオッサンが犯人なので、まったく悲劇もクソもない仕上がりになっています。ただ、オッサンとレオが昔同じ施設にいたということを、オマケのように見せているので、多少は原作に近づけたつもりなんでしょうか?

 そういった、兄と弟の過去やら現在やらを省き、レオをただの陰がある不器用なヒーローに仕立て上げた映画版は、一体何がしたかったのか私にはよく解りません。
 レオから弟のエピソードを取ったら、まったく見せ場がないでしょう。
小説と全く別物。辻褄が合って、それなりのお話になって完結までしたけど、あれは私が知っているレオじゃない。キャストがよかったと書いたけど、キャストが発表された時に、「トム・ハーディ??」と疑問に思った覚えがある。あんまりレオっぽくはないなーと思ったら、そうだね、そもそもこのお話は「チャイルド44」じゃなかったんだ!原案かな。
 邦題のサブタイトル「森に消えた子供たち」はロバート・カレン(広瀬順弘訳)の『子供たちは森に消えた』を真似したのかな。知っていてつけたとしたら、恥知らずもいいところ。

 よく、原作ありの映画を観ると原作ファンがウザイ。という意見を目にします。
確かに、原作と映画を比べることをよくしてしまう私ですが、この「チャイルド44」だけは言わせてくれ。これは全くの別物であると。レオをレオたらしめる要素を抜いて、暗いけど希望を感じさせるエンディングにした脚本家はどうかしてると思う。トムハ使いたかっただけだろ?と思わざるを得ない。
 我らがゲイリー・オールドマンの低音ボイスがたまらないけど、そうじゃないんだよ…。そういう話じゃないのに、なんでここでゲイリーなの…と悔しく思う程に、キャスト一人一人は本当にいい。※合っているかは別として。

 この終わり方だと、グラーグもエージェントも映像化はされないんだろうな…。だってレオがパーヴェルじゃなくて、レオなんだもの。弟が犯人バージョンもぜひ作ってほしい。

 原作だと、カニバリズム的な要素があるけど、そこを省きたかったのかな?別にあってもいいじゃない、パーヴェルだもの。


 


PR

美女と野獣

ただただ、完璧すぎた。

 ディズニーのアニメ映画「美女と野獣」の実写版として完璧。
原作やヴァンサン・カッセルが出てた方の「美女と野獣」ではない。

 エマ・ワトソンのイケメンすぎる不敵な笑みも気にならないほどに、彼女はベルだった。途中、おおよそ賢い振る舞いとは言い難いこともあったけど、もう完璧な「美女と野獣」。

 そもそも「美女と野獣」って、自分の中では他のディズニープリンセス映画より、糖度が控えめだと思っている。でもロマンティック。子供の時に映画館で観て、なんて面白いんだろう!と思った。本が好きだったからベルに共感できる部分があったのかもしれない。よくよく考えると、最終的に平民階級だった女の子が、王女様にまでなるんだから、シンデレラストーリーと言われても間違いないんだろうけど、そういう枠にベルをはめたくない。と思うのは、ただ単に彼女とその物語が好きだから。という贔屓。

 ガストンがね!
私ガストン大好きなんですが、めちゃくちゃ良かったです。そらルーク・エヴァンスですもの。またちょっと頭オカシイ役やってるなあ(褒めてます)と思ってしまった。ポジティブの塊ガストン。曲者なのはル・フゥの方かと思ったけど、実はどっちもどっちだった。

 魔女のエピソードと、モーリス夫妻のエピソードが追加されていましたが、前者はともかくとして後者はよかった。ベルの母親全く言及されないから不思議に思っていたし(そういうものだと思えば受け入れられるけど)、モーリスもただの父親に「娘思い」「愛情深い」という特性が追加されたように感じられた。
 ただ、馬車の鍵を開ける一連の流れは、謎のプロ感があった…。あのシーンだけ見ると、野獣に「盗人」呼ばわりされても仕方ないのでは…と思って笑った。

 ちょっと気になるところは時系列。
王子が野獣に変わったのは、もう何百年も前の話だと思っていた。語り口調が昔話だから。
でも実際は、ポット夫人やコグスワースの例を見れば解るように、つい最近の出来事だったということが判明。じゃあベルの村人たちは、森の先に城があることを知っていた?だから迷わず、城に乗りこめたのか?モーリスが城のことを知らなかったのは、パリからやってきたから?
 野獣や使用人たちは姿が変わっている間、年をとっていなかったのかな。ポット夫妻なんて、全然違和感なく同じくらい年をとっていたけれども。十五年くらいじゃ外見なんて早々変わらないということなのかな…

 村人と使用人たちの間にそういう関係があったなんて…と面白い解釈ではあるけど、一気におとぎ話感が抜けてしまったような気がして、すこし寂しいかな。

 字幕で観ました。
吹き替えはミュージカル俳優がやっているそうですが、これはきっと字幕で観た方がいいと思います。だってすごい完璧なんだよ?再現度が100パーセント超えてるのだから、オリジナルのまま観た方が絶対いいです。



籠の中の乙女

かわいい映画が観たくて借りたつもりだったんですが…。
タイトル好みだなーと手にとって、ジャケ裏見たら、まあ映ってましたよね血まみれの男の人が。
そしてあらすじも、不穏なものがありましたね…でも直感を信じて観てみることにしました。
ただし私は忘れていました。タイトルに惹かれて観た映画の勝率を。

 「籠の中の乙女」のメインキャラクターとも言える、「長女」はとある夫婦の三人の子供の内の一人です。「長女」は「次女」と「兄弟」と一緒に、外界から隔離されて育ちました。結構、いい年齢に見えますが、中身は小さな子供みたい。
 どうして夫婦が、子供たちに名前もつけず、言葉の意味をまったく別のものとすり替えて教え、世間から隠すように育てていたかは語られず。そのくせ、父親だけは外との繋がりを持っていたり(まあこれは、仕事して外貨を稼いでいるだけでしょうが)、中途半端に文明を与え、あまつさえ「兄弟」と呼ぶ「長男」には、性欲処理人員として外界から女性を雇って与えている。その女性が原因で、完璧だった世界が崩れていくのですが…

 まあ不気味。
文明を知った「長女」が、自分自身に名前をつけてみたり、映画の登場人物のマネをしてみたりする部分だけは微笑ましいんですが、ほかの要素が、気持ち悪い。よそはよそ、うちはうち。という言葉って便利だなあ、と思う。
 「父親」によって、統率された世界は、それだけなら完成しているのに、わざわざ外の世界を招き入れるような真似をするから、家族の世界の異様さが際立っている。普通の人が生きる常識が一切通じない。
 父親の同僚が一瞬だけ、「奥様はつらい目に遭って…」心が壊れてしまった風なことを喋る。ああ、じゃあこれは母親の願いなんだ、この人が全ての元凶なんだと思ったけど…父親も狂ってた。狂気という言葉が、とても似合っている。

 家族だけならよかった。
彼らだけで生きていれば、近親相姦があろうと百合があろうと、小動物虐待があろうと…彼らだけの世界観なら何の問題もなかった。だって「父親」がそれを許すから。
 でも観てるこちら側としたら、ただただ不気味。非道とさえ思う時がある。嫌悪じゃなくて、じわじわくる不快感。「ある視点」とはよく言ったものだ。完璧すぎ。

 「この家を出るときは、上の犬歯が抜ける時」と教えられていた子供たち。犬歯なんて早々抜けるもんじゃない。「生え変わった時は、車の運転を習う時」。そんな日は一生来ない。つまりそういうこと。
 この教えを頭に置いた長女が、鉄アレイで自身の犬歯を殴るシーンがあるのですが、見てるこっちが痛い!!!でも長女は嬉しそう。血まみれの笑顔。これから自由になるんだ、と言っているような…。でも今までずっと隔離されて、社会のことを何も知らない彼女が、まともに生きていけるんだろうか…。観終わった後まで不安が続く作品でした。

 父親が文明をもたらした、長男の「愛人」をビデオデッキ?か何かで、何度も殴打するシーンが、淡々としているのにやたら怖かった。世の中は広いから、色んな人がいるんでしょうけど、それにしても気味が悪すぎた。
 彼は一体何と戦っていたんだろう。一応、子供たちには「自分で何でもできる強さ」を身に着けてほしい~みたいな事を言っていたけど、それだったら山中でサバイバル訓練でもした方がよかったんじゃないか?そしてゆくゆくは、ソニー・ビーンみたいになって旅人襲うとかして生計を立てる。違う映画になりますね。


ドント・ブリーズ


 本当に映画を楽しみたいならば、余計な情報を目に入れない方がいいなあ。
と実感した。基本ネタバレはOKなので、あいつ死ぬよ等の話も大丈夫な性質だったけど…全然関係ない、出ている俳優が○○に似てる!系のネタは、鑑賞の妨げになるので聞かなければよかった…と激しく後悔しているのが「ドント・ブリーズ」。三人の強盗VSおじいちゃんです。

 金がないから強盗して稼ごう!という発想がそもそもおかしい若者三人が、娘を交通事故亡くした盲目の老人をターゲットにしたことが物語の発端。若者たちが狙うのは、老人の娘を轢き殺した加害者が払ったという御金。その経緯を知っていながら、金を掠め取ろうとする考えが既に胸糞悪い。これはあれか、こんな非道なことをさせておけば、殺す時にめちゃくちゃスカっとするでしょう的なあれか…! 
 だけど違った、老人もおかしかった。
戦闘力はもちろん、思想もおかしかった。
 最初こそ、娘を奪われた可哀想な父親。娘が死んで、残った金。それが奪われようとしている。
ジョン・ウィックの犬みたいな…感じですかね…おじいちゃん可哀想…若者たちは死んでいい。
と、思っていたんですけど。
 物語中盤で、性的嫌悪なシーンが出てくる。おじいちゃんも言ってたけどレイプじゃない。おいおいでもそれちょっと違うだろう。発想も方法も狂ってるよ。娘の死でおじいちゃんが狂っちゃったのかもしれないけど、そちらの道に走るとは…おじいちゃんを応援していたのに一気にテンションダウン。被害に遭いそうになった若者♀の報復方法も気持ち悪かった…。この一連の流れが一番、ダメージあった…。ほんっと気持ち悪い。怖いとかじゃなくて。

 怖いとは思わなかった。正直絶賛される理由もよくわからなかった。
大体(おじいちゃんから見て)ターゲットが三人+αしかいないのが物足りない。
おじいちゃんから逃げ惑うクソガキ達を期待していた…需要と供給の違いなのかもしれん。

 私的には生き残った一人が、続編でボコボコにされてしまえばいいのになー。
まさかと思うけど続編作りたいから一人逃したわけではないよね。


血の儀式

大好きだったおばあちゃんが不気味な生き物になっていた。

 その昔、ジョージの祖母マーシーは子供がほしくてたまらなかった。
けれども何度も流産を繰り返し、結果的に子供が作れない体になってしまった。
彼女は神を信じていたのだけれど、どんなに祈っても願いが聞き届けられないので、他のものに頼ることにした。それが、ハスター。

 ハスターというと、ラヴクラフトが思いつく。
マーシーはハスターの名を耳にすると暴れだす。普段は痴呆?のためか、動作が緩慢で殆ど喋らないのにも関わらず。
 マーシーは三つ子を生んでいる。その長女がジョージの母親。その次が長男。末娘は、その兄曰く「母の呪い」に遭遇して気が触れたため檻のついた病院にいるとのこと。
 そして夫は、子供たちが赤子の時に、斧で自分の頭を割って死んでいる。

 実はジョージが知らないだけで、祖母であるマーシーの周辺は血なまぐさいことで覆われていた。作中ではそれが明らかになっていくのだけど、その展開がすこぶる早い。そして画面が暗い。

 これは私のテレビかプレイヤーの問題かもしれませんが、とにかく画面が見づらい。光を調節しても暗すぎて、何が何だかわからない。ハスターの姿もよく見えなかったので怖くない。雰囲気は不気味でよかったし、ところどころの不気味なネタにもワクワクさせられた。でもね、本当に暗いし早いの。
 ジョージ母の幼馴染が狂気を見せたかと思うと、病院から抜け出した叔母がそれを助け、しかし彼女は既にこと切れていて、ジョージは妄想の金髪美少女に頼りだしたかと思うと、実はそれはおばあちゃんの善き魂でうんたらかんたら。
 結局のところ、一度はハスターに憑依されそうになったジョージでしたが、勇気を振り絞ったのでハスターを撃退することができました…!

 勇気に負けるハスターってなんなんだろう…。
立ち向かえば消すことのできる存在であるのならば、こうなる前になんとかなったのではないだろうか…?

 ホラー映画に出てくる老婆って、もっと突き抜けた演技をする人が多いような気がするんですが、今回のおばあちゃんは、きれいなおばあちゃんとホラーおばあちゃんの塩梅が絶妙に微妙でした。もっと、汚い感じのグロいおばあちゃんが欲しかったです。でも綺麗な時のおばあちゃんは本当に優しそう。そして綺麗なおばあちゃんが映っていると、画面も明るくて見やすい。

 コメディ分はなし。一切ないので、少しはあったらよかったのに。


プロフィール

HN:
キヨ
性別:
女性

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

訪問者数

Copyright ©  -- Wie du magst --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]